ベテラン企業支援家が決算書を見ない理由とは?
ベテラン企業支援家が決算書を見ない理由とは?
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「決算書は見ないんです」
中小企業や小規模事業者の支援を15年以上やっておられる企業支援家のKさんとお話する機会がありました。
相談に来られる経営者は、たいてい三期分の決算書を持参されています。
しかし、Kさんは、どうしても金融機関との交渉が不可欠なケース以外、決算書を見ないそうです。
元々銀行のご出身であり、決算書の分析などは得意中の得意。
では、なぜKさんは決算書をあえて見ないのでしょうか?
中小企業の経営者のお悩みはいろいろありますが、何と言っても一番は売上です。
もちろん、人の問題もあります。また、資金繰りの問題もあります。
けれども、売上が順調に伸び、利益もきちんと確保できていれば、人の問題も、資金繰りの問題もある程度解決のメドが立ってきます。
そこで、Kさんのところでは、主にどうやって売上を伸ばすかにポイントを絞って、支援されています。
そして、Kさんによると、これからどうやって売上を伸ばすかという点からすると、決算書を見ても、問題点しか見えないから、あえて決算書を見ないそうです。
売上が伸びていないと、
- 現預金が少ない
- 在庫が多い
- 借入金が膨らんでいる・・・
といったような特徴がたいてい決算書に表れています。
そして、このような財務状況では、新たに銀行から借入するのが難しいケースが大半です。
つまり、
これから売上を伸ばさないといけないのに手元の資金が不足し、銀行も貸してくれない
↓
お金をなるべく使わずに売上を伸ばさないといけない
↓
具体的にどうやればよいのか分からない
といった状況で、Kさんのところに来られるのです。
そんな時、決算書を見て問題点を指摘しても何の解決にもなりません。
結局は
知恵を絞って流れを変える
しか方法がないのです。
Kさんのお話の中では、具体的なサポート事例をいろいろと教えていただきましたが、中には、今までやっていたことに新たに名前をつけて売り出したところ、大手メーカーからも発注が来て売上がV字回復し、利益率が3倍になった会社もありました。
自社の中にあった埋もれているセールスポイントを発見したことで、倒産寸前の状態から見事に立ち直ったのです。
そして、業績が回復した会社の共通点は
経営者が何とかしようと、一歩踏み出した
こと。
お話をお伺いして、私ももっとやらねばとたいへん良い刺激をいただきました。
★現状を変えるために、一歩踏み出すためには、「コアコンセプト・マーケティング」もご活用下さい。詳細は「こちら」です。
毎年この時期になると、夏休みの宿題に追われていた子供の頃を思い出します(汗)。
夏休みの宿題も経営の課題も早めに取り組んだ方が後が楽ですね。
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