銀行の4本柱を攻略する
銀行の4本柱を攻略する
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
2月からはプロ野球もキャンプがスタート。
我が阪神は昨年リーグ優勝は逃したものの、
クライマックスシリーズを勝ち上がって日本シリーズに出場しました。
でも、昨年の実力からすれば、さすがにアンチ巨人の私でも
「巨人には申し訳ないなぁ」という気がします。
阪神には今年はきっちりリーグ優勝して日本一を目指してほしいのですが、
はたしてどうなるでしょうか。
野球の場合、なんと言っても軸になるのは投手。
3本柱、4本柱という感じで3人から4人の投手を中心に
ペナントレースを戦います。
一方で、銀行の場合、あなたの会社を担当するラインとしては、
- 担当者
- 課長
- 副支店長(次長)
- 支店長
という4人の柱がいます。
銀行によっては取引先係と融資係に分かれていますが、
ここでは単純化のため「4本柱」で考えてみたいと思います。
銀行の審査は書類で行われます。
そして、この書類は
担当者→課長→副支店長→支店長という順番で回覧されていきます。
融資金額が多くなったり、業況が悪い会社の場合は
支店長が決裁した後、書類が本社の審査部に回ります。
しかし、審査部の人が直接取引先に質問したり、
調査に来たりすることはめったにありません。
いわば、支店が砦となっており、
御社の案件に関する疑問や質問は支店長以下4人で対応します。
このため、会社としては、この
「4本柱」をどう攻略するかがポイントになってきます。
一般的にキーマンは
- 支店長
- 課長
であると言われています。
もちろん、ご担当の方を無視する訳にはいきません。
中には若くても非常に優秀な方がおられ、会社の強力な味方になってくれます。
しかし、残念ながら組織の中では権限がほとんどなく、融資を決定できません。
一方の副支店長。
比較的影が薄いのですが(笑)、支店長が休暇等で不在の時には
代行する権限があるので、やはり最低限抑えておいた方が良いのは事実。
でも、優先順位をつけろと言われたら、やはり、
支店長→課長→担当者→副支店長の順番です。
しかし、いくつか注意すべき点があります。
まず、支店長。
平均すると、担当者は1人当たり30~50社の取引先を持っています。
このため、担当者が10名いる支店だと500社もしくはそれ以上の取引先
があります。
このため、支店長から見れば、あなたの会社も500分の1の会社
でしかありません。
もし、あなたの会社が支店の中で大口融資先や大口預金先、
もしくは銀行のOBがお世話になっている先といった特殊事情がない場合、
支店長はあなたの会社をあまり覚えていない恐れがあるということです。
つまり、支店長=絶対的エースとすれば、
打ち崩すのがなかなか困難な相手なのです。
次に課長。
ある程度経験を積んでいる次世代のエース候補といったところでしょうか。
会社側としてはできるだけ早い時期に打ち込んで、
「あの会社はなかなか手強い」と思わせるに越したことはありません。
支店長も融資案件で疑問が生じた時、まずは課長に質問するケースが多いのです。
課長に実力と実績があり、その課長が
「ここは大丈夫です!」と太鼓判を押せば、比較的すんなりと案件が通る
ことが多いのも事実。
したがって、支店長を攻略するのはなかなか難しくても、
課長に会社のことを分かってもらえると融資も通りやすくなります。
でも、気をつけなればいけないのは、
銀行員は平均3年くらいで転勤するということ。
したがって、ようやく会社の状況を理解してもらえたかなあと思っていると、
後任者と一緒に挨拶に来たりすることも・・・。
このため、「4本柱」がその支店にどれくらい在籍しているか
は頭の片隅に入れておいた方がベターです。
在籍期間が3年以上だとそろそろ交替する可能性があります。
その際には、先の優先順位に囚われず、
引続き担当してくれる人にできるだけ会社のことを知ってもらうことが
次の攻めにつながります。
トレード(転勤)によって、手強い相手と対峙しなければならなくなると、
相手の投球に慣れてくるまでなかなか点を取れません。
銀行のローテーションを頭に入れつつ攻略法を練ることも時には必要です。
銀行は組織としては大企業ですが、御社の窓口となる支店単位で見ると
支店長=社長である中小企業。
相手が巨人でもびびらないことはプロ野球も銀行交渉も同じです。
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