代ゼミの教えを受験でなく、経営に活かす
代ゼミの教えを受験でなく、経営に活かす
会社の成長とは、単に売上が増える、利益が増える、社員が増えることではなく、外部の変化に対して迅速かつ柔軟に変わり続けることです。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
代々木ゼミナールが20校閉鎖。
先週末から今週初めにかけて新聞等で盛んに取り上げられていました。
27ヵ所ある校舎を7ヵ所に減らすというのですから、かなりのリストラです。
日経新聞では代ゼミが校舎の大量閉鎖に追い込まれていた要因として次の3つを挙げています。
1.浪人生の減少と現役志向の高まり
90年代前半には20万人近くいた浪人生が約8万人に減少
2.国立や理系学部を選ぶ受験生の増加
私立文系を得意とする代ゼミにとっては逆風
3.経営効率の違い
従来型の大教室講義は、あの林修先生でおなじみの東進ハイスクールのようなネット配信授業に比べると運営コストがかかる
つまり、
業界全体のパイが縮小
ターゲットとなる見込み客が減少
固定費の負担割合増加
という訳です。
仮に業界全体が縮小傾向にあっても、自社の見込み客が安定して確保できればなんとかなるかもしれません。
また、見込み客が減少傾向にあっても、業務の効率化が進んでいれば、一定の利益は確保できるかもしれません。
先日も、ある二代目経営者の方とお話しする機会があったのですが、
「今の時代、前年と同じ業績を残すだけでも、ものすごいことではないか」
という話になりました。
二代目社長の場合、先代の創業者からは、以前と同じ売上を維持している状態では褒められることはありません。
二割、三割増収になってようやく「まあままだなぁ」と言われます。
でも、昔と今とでは会社を取り巻く環境が全然違います。
日本が右肩上がりの時代はまじめに努力していれば増収増益も達成可能でした。
しかし、最近はやや景気は持ち直しているとはいえ、日本国内の市場だけで見れば全体のパイはだんだんと小さくなりつつあります。
また、仮にターゲットを絞り込んだとしても、その対象先からの売上だけで利益を確保できるとは限りません。
無駄な経費は抑えつつ、自社の強みをアピールするための広告宣伝等への投資は不可欠です。
そして、情報の流通速度が世界的に早まる中、新しいことを始めてもすぐに競合他社に真似されます。
このため、会社の成長とは、単に
売上が増える、利益が増える、社員が増える
ということではなく、
外部の変化に対して迅速かつ柔軟に変わり続ける
ということです。
代ゼミも2010年には中学受験塾のSAPIXを買収し、少子化対策への手を打っています。
けれども、本体の改革はやや後手に回った模様です。
あなたの会社では
外部の変化に対して迅速かつ柔軟に変わり続ける
体制はできているでしょうか。
ところで、代ゼミと言えば、「日々是決戦」「親身の指導」のスローガンが有名でした。
私たちの頃は、「日々是決算」「金身の指導」と冗談で言われていましたが、「日々是決算」を本当に実行していれば、もう少し状況は変わっていたかもしれません。
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