「お金をかけずに」で墓穴を掘る
「お金をかけずに」で墓穴を掘る
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「『お金をかけないで』って言ってるのにおかしいでしょ!」
飲食店を経営されるクライアントさんと打合せしている時の話です。
知人の飲食店向けコンサルタントの方から
あるセミナーのお誘いを受けたクライアントさん。
興味のあるテーマだったので、早速ウェブで申込しました。
参加費用は3,000円で、早期割引価格は2,500円。
そこで、もちろん安い方の2,500円で申込むと事務局から
「本日中に2,500円を以下の銀行口座宛に振込んで下さい」
というメールが来たそうです。
そのメールを見て、クライアントさんはカチンと来ました。
理由をお聞きすると以下のようなことです。
- 経営者から見て銀行に払う振込手数料ほどバカらしいものはない
- 2,500円を振込もうとすると、今回の場合だと他行宛の振込なので振込手数料が432円かかる
- すると、参加費用と振込手数料の合計が2,932円になり、定価の3,000円と比べても8円しか安くならない
- これが、10,000円とか20,000円の参加費だったらまだしも2,500円に対して432円だと元金に対して17%以上の出費になる
- 特に飲食店経営者は1品300円とか、500円といった商品を売っているので、振込1件につき432円とか、648円を払うたびに、「なんとかならないか」といつも考えている
そして、セミナーのテーマが「お金をかけずに飲食店を・・・」
とタイトルだったのに、参加者に無駄な経費を平気で払わせることに対して
「この会社、ほんまに飲食店のことを分かってるの?」
と思ってしまい、結局セミナーには参加しなかったのです。
あなたはどのように思われるでしょうか?
セミナーの主催者側からすると、こんな面倒くさそうなお客さんは願い下げです(笑)。
一方、早期割引の価格設定についてはいろいろと改善の余地はありそうな感じです。
でも、どうせ「お金をかけないで」というテーマでセミナーをやるんだったら、
「参加費用は皆さん当日現金払いでOKです!」
「振込手数料のような無駄な出費は一切不要です!!」
とアピールすれば、
「こいつ、よう分かっとるなぁ、一回話でも聞きに行こうかぁ。」
と思うとクライアントさんがおしゃった時には、
「なるほど!!!」
と思わず納得させられました。
マーケティングや営業では、
「相手の立場に立って考えろ」
ということがよく言われます。
しかし、ビジネスである以上
100%自社の都合を無視して考える
というのはなかなかできることではありません。
セミナーの場合は
当日のキャンセルを防ぐ
当日の受付をスムーズに行う
という観点から参加費用の事前振込をお願いすることが多いのですが、
あえて当日の現金払いにして、その意義をアピールする
というのは、戦略としてはありですね。
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