消費税を巡る無意味な業務
消費税を巡る無意味な業務
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「3月31日まで取りに来て下さい。」
「もし、来れなかったらどうなるんですか?」
「その場合は、いったん伝票を取り消して、もう一度新しい金額でお支払いただきます!」
先日家内が某百貨店でメガネを作った時のこと、出来上がりは3月30日なのですが、今月中に受け取るよう最後に念押しされました。
いつ時点まで5%の税率が適用されるかは商品や会社によってまちまちです。
家内の買ったメガネの場合、お金は既に支払ったものの、受け取りが4月1日以降になると、8%の税率が適用されるらしいです。
自動車の場合、登録や引渡しの問題があるので、「新車の場合、時期的にギリギリ?」「中古車だとまだ間に合う」といった話を聞いたことがあります。
一方のメガネ。
自動車とは違ってメガネを持つのに何か証明や登録はいりません。
消費税値上げ前の駆け込み需要で、出来上がるまで、いつもより時間がかかるのはしょうがないところ。
しかし、既に代金を支払っているにも関わらず、受け取りが4月にずれ込んだら8%を適用するというのはなんとも腑に落ちない対応です。
しかも、その場合、ご丁寧にも、いったん切った伝票をわざわざ切りなおすというのも余計な手間です。
ならば、3月中に発送してもらえば、5%が適用されるという理屈も成り立ちますが、メガネの場合は、どうしても着けてみた時の微調整が必要です。
このため、余計な3%分の支払を避けるために、30日は混雑が予想される百貨店に行くことになりそうです。
お金と時間には密接な関係があります。
お金をもらう側からすると、売掛金回収にかかる手間ひまを考えれば、多少割引しても前金でもらった方が有利です。
一方、今回のケースで言えば、もし、受け取りが4月1日以降になった時には、伝票の再発行に伴う余計な手間が発生します。
その作業にかかる時間を人件費に換算すると、百貨店とすれば、人件費の分だけ余計なコストがかかる計算になります。
もちろん、時間内の仕事であれば残業代は発生しません。
けれども、このような
すぐには表面化しない作業のムダの積み重ねが人件費を始めとするコストの増加につながる
のは間違いありません。
今回も、引渡しがいつになろうと、3月中にお金を払ったものは5%を適用すると決めれば、余計な手間も評判を落とすリスクも避けられます。
時間は有限。
杓子定規なルールに囚われず、余計なことにお金がかからないよう
気をつけたいですね。
ちなみに、この話を大阪出身の知人に話したところ、「ありえへん!!!」とびっくりされました(笑)。
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