もしも、DJポリスが広報担当だったら
もしも、DJポリスが広報担当だったら
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「目の前にいるお巡りさんも、みなさんが憎くて怖い顔をしているわけではありません。」
ユーモアあふれる呼びかけでW杯出場が決まって、多くの人がごったがえす渋谷駅前の混乱を未然に防いだDJポリス。
警視総監賞を授与する方針が固まったようですね。
DJポリスのことを知って、私が思い出したのは、数年前青梅の吉野梅郷に行った時のことです。
梅が見頃を迎え、大勢の観光客がいる中、やはり警察が警備にあたっていました。
その中のお廻りさんの一人が、交差点のところで、「危ないから道路の端を歩いて下さい!!」と何回も絶叫していたのです。
人が多いため、多少歩道からはみ出していた人はいました。
けれども、W杯出場が決まって興奮している若者とは違い、みんな穏やかに歩いていたのです。
そこへ、先のお廻りさんが、「危ない、危ない」を連発するので、聞いているこちらはあまりいい気分はしませんでした。
もちろん、事故が起きてはいけません。
しかし、キンキン声を発するお巡りさんは「みなさんが憎くて怖い顔をしている」ようにしか見えなかったのです。
さて、DJポリスは機動隊の広報係に所属するそうですが、「我が社にもあんな広報担当が欲しい」と思った経営者がおられるかもしれませんね。
しかし、DJポリスの対応が上手くいったのは単に言葉の伝え方が良かったということだけではありません。
そもそも彼は警察官ですし、1週間前の夜も群集は興奮気味だったとは言え、「W杯出場が決まって嬉しい」というポジティブな意味での高揚感がバックグランドにありました。
会社が問題を起こして、謝罪会見をする時に、「目の前にいる社長も、みなさんが憎くて怖い顔をしているわけではありません。」と広報担当者が言えば、袋叩きにあいます。
このことはちょっと考えればすぐ分かります。
多くの会社では
他社の成功事例に学ぶ時に本質的なことを理解せず、表面的なことだけをマネして上手くいかない
のです。
先の青梅の警察官にはDJポリスをマネてもらいたいと思います。
けれども、置かれている環境や条件が違うのに、他社の良いところだけマネしても成功するとは限りません。
食べ物はよく咀嚼しないと栄養になりませんが、
他社の成功事例もよく咀嚼する
ことが大切です。
それにしても、人呼んで「DJポリス」。
上手いネーミングです。
名付け親は広報担当の有力候補かもしれません。
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