値下げして本当に数量は増えるのか
値下げして本当に数量は増えるのか
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「本当は5,000円以上にしたかったのだけれど・・・」
経営コンサルタントで税理士の岡本吏郎さんのセミナーに参加していた時のこと。
そのセミナーは岡本さんが出版された「実学中小企業のパーフェクト会計」を購入した人向けの特別セミナーでした。
その本の定価は3,360円(税込み)。
岡本さんは、5,000円以上の値段で売ることを主張されたらしいのですが、ダイヤモンド社の人がなかなか首を縦にふらず、結果的に先の値段になったそうです。
セミナーでの話を簡単に要約すると、「本の内容からして、5,000円以上でも買う人は買うし、2,000円に値下げしても買わない人は買わない」から「あえて値下げする必要はない」というものでした。
さて、営業戦略において、値段をいくらにするかということは、あなたも日々頭を悩まされていることと思います。
売上高=価格×数量
で決まるとすれば、価格も数量も増えることが理想です。
しかし、なかなかそう上手くはいかないので、
- 価格を下げて数量を増やす
- たとえ数量は減っても、価格は値上げ(または維持)する
という戦略が考えられますが、多くの場合、値下げが選択されます。
これらを決める時のポイントとして
・原材料費などの原価はいくらか
・他社や競合商品の動向
がすぐに頭に浮かびますが、意外となおざりにされているのが、
- 値下げしたら、本当に数量は増えるのか
- 増えるとすれば、どのくらい増えるのか
という点の検証です。
特に、営業の目標が件数で決まっている場合、収益に対する考え方が各担当者に浸透していないと、採算を度外視した安易な値下げに走りがちです。
大手企業の場合は、ある程度の値下げには耐えうる体力があります。
このため、意図的に値下げして集中的に数を増やすということも可能です。
しかし、中小企業の場合、「値下げしないと数量が減る」という固定観念にとらわれ、きちんと検証していないと、本来なら得ることのできた収益をミスミス自ら捨てることにもなりかねません。
この点、営業の目標や戦略を決める際には、会計的な見地から、その目標や方法が
- 会社の収益にとってプラスかどうか
- 仮に最初はマイナスになる場合、それをどのような手段でカバーしていくのか
を検証して、営業と管理部門が一緒に協議することが会社にとって必要です。
ところで、先の「実学中小企業のパーフェクト会計」は340ページもある大作です。
内容もたいへん充実しており、たとえ5,000円であったとしても、私は買っていたと思います。
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