中小企業における情報開示
中小企業における情報開示
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
お世話になった方へのお礼に地元の特産品である梅干しを贈られたクライアントさん。
ただ贈るだけでは芸がないので、その梅干しに関する添え書きを一緒に贈るようお店の人に依頼しました。
すると、お店の人がご丁寧にも商品パンフレットも一緒に送付してしまったことが後から発覚!
贈った梅干しセットの値段まで、相手先にバレバレになってしまいました。
「ちょっとは考えろよ・・・」と半ばあきれ気味のクライアントさん。苦笑いしながら語ってくれました。
さて、余計な情報まで開示してしまった梅干し屋さんですが、会社でも、
どこまで情報開示するか
というのは難しいところです。
特に業況が厳しくなって銀行や取引先等に支援や協力を要請しなければならない時は細心の注意が必要です。
前職の時、技術面での提携先であったある会社に相談したところ、「今後の資金繰りの見通しを出して下さい」との依頼。
私は「本当に数字を出すんですか?」と反対したのですが、社長は「こうなったら出すしかないだろう」ときっぱり。
結論から言うと、
自社の手の内をすべてさらけ出したため、かえって足元を見られる
結果になってしまったのです。
もちろん、決算書や試算表など過去の実績や数字を偽るのは論外です。
しかし、今後の資金繰りや受注見込みなど
将来の計画や見込みの数字を外部に提出する際には相手先、状況によって取捨選択
しないと、かえって自分の首を絞める結果を招きかねません。
梅干しセットの値段が相手先に分かっても、「へぇ~、かなり高いものを贈ってくれたんだ」で済みます。
けれども、会社の数字が相手先に知れた場合、「あと半年ももたないから、もう少し待っておいしいところだけいただこう」と悪用される可能性はゼロではないのです。
ひどいケースは、他の取引先に悪評を流し、「あそこはもうやばそうなので、我が社と取引しましょう」と既存取引先にまで持ちかけることも・・・。
まあ、あまり疑心暗鬼になってはいけませんが、隠し玉を2、3個持って、相手先に「あれ、そろそろつぶれるはずなんだが」と思わせるぐらいの図太さも時には必要です。
梅干しから始まって今日は少ししょっぱい話になってしまいました(苦笑)。
★下記のフォームにお名前とメールアドレスをご登録いただければ、最新発行分より「超キャッシュフロー経営通信」【UCF】をお送りさせていただきます。ぜひご登録下さい。