トイレの清掃で会社は良くなるのか?
トイレの清掃で会社は良くなるのか?
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
日経平均株価がITバブル期の高値を上回るなど株式相場が上がっています。
株式投資は、個人のデイトレーダーのように、1日に何十回、何百回と短期売買を繰り返すやり方もあれば、ウォーレン・バフェットのように株式を長期保有することで利益を上げるやり方もあります。
秒単位の短期売買と長期保有する株式投資。
一見すると真逆のやり方です。
個人的にはこっちの方法が好きというのはあっても、どちらの方法がより優れているとかというのはありません。
でも、二つの方法には一つ共通点があります。
それは、株式売買において人の感情を極力排除するということです。
今の株式相場のように株価が上昇している時は誰しも「もっと儲けたい!」「今までの損失を一気に取り戻したい!!」と思うものです。
でも、「もっと」という欲がからんだり、「ここでなんとか」という思惑が入ると、えてして売り時を逃したしたり、買うタイミングが一歩遅れたりするものです。
この点、超短期売買ではシステムを組むことで、一定の指標が出たら自動的に売買を実行するし、長期保有の投資では1ヵ月、2ヵ月ぐらいの上げ下げにはあまり動じません。
つまり、デイトレーダーも投資の神様も、株式売買で大きな失敗要因となる人の感情を排除するという点では同じことを目指しています。
さて、勉強熱心な経営者はセミナーに参加したり、経営者の勉強会に行ったりして、いろいろなことを学んでおられます。
その時、よくあるのが、他社が成功している事例に学ぶというものです。
- A社では毎日朝礼をやって、売上が2倍になった
- B社はFacebook広告で一気に1,000人のリストを集めた
- C社ではアルバイト社員を正社員にして、サービス力をアップした
など、聞いていると、「なるほどなるほど、ウチでもやろう!」というものが少なくありません。
けれども、大事なのは、成功した他社が表面的に何をやっているのかではなく、成功した他社事例の本質は何なのかということです。
A社では朝礼でどんなことをやっているのか
↓
なぜ、それを始めたのか
↓
なぜ、それが売上アップにつながるのか
↓
なぜ、それが徹底できたのか
↓
なぜ、D社はやっていないのか
↓
なぜ、ウチではできないのか・・・
というように、問題の本質を深掘りすることが必要です。
問題の本質を深掘りしないで、表面的な事例でマネしても上滑りするだけで、成功には結びつきません。
ちなみに、前職の社長は、ある投資家から
「お金を出す人は会社のトイレがきれいかどうかをチェックする」
「成功している会社はどこもトイレの清掃が行き届いている」
と言うのを聞いて時々熱心にトイレ掃除をしていました。
けれども、現実のやっかいな問題には蓋をしたままだったので、最終的には事実上の倒産にまで追い込まれてしまったのです。
物事を捉える時には
いったん具体的な事象から抽象的な本質に昇華させる
というプロセスが欠かせません。
- 超短期売買・長期保有の株式投資→人の感情を排した株式売買
- トイレの清掃→嫌なものにも真正面から向き合う
です。
来週からは早くも7月となり、今年も後半戦突入。
後半戦のスタートダッシュに向けて素敵な週末をお過ごし下さい。
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