適正な在庫は経営者が決める
適正な在庫は経営者が決める
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
売上高17億円の会社で棚卸資産、つまり在庫が5億円。
年商の三分の一近い在庫を抱えている計算になります。
あなたはどのように思われたでしょうか?
でも、その会社の社長は
「もう少し在庫を減らしたほうがいい」
というアドバイスに対し、
「資金に余裕があればもっと在庫を増やしたい」
と答えました。
なぜだかお分かりになるでしょうか?
この会社はポポンデッタさんと言って、鉄道模型を販売している会社です。
秋葉原を始めとして全国に36店舗あり、いわゆる模型鉄の人が通うお店です。
模型鉄にとっては、今では走っていない昔の電車とか、最新型の新幹線など、いろいろな列車の模型がお店に並んでいることが最大の魅力です。
つまり、お店に豊富な在庫があるからこそお客さんは興味を示し、集客力という形で他社との競争力を生み出しているのです。
そして、食料品とかと違って、鉄道模型は古くなっても腐りません。
だから、常識的には過剰に見える在庫も会社にとっては収益を生む源泉になっています。
それゆえ、ポポンデッタの社長は「もっと在庫を増やしたい」と発言されたのです。
財務分析して数字だけを見ていると、
「この在庫は多すぎる」
「原価率をもっと下げた方がいい」
「社員をリストラすべきだ」
という意見が出てきます。
これらの指摘は一般論として正しいケースもあります。
けれども、先にご紹介した鉄道模型屋さんのように
他社から見れば異常な数字であっても、その会社にとっては正しい数字である
ということがあります。
そして、それが一番よく分かっているのは会社の経営者。
銀行担当者が
「御社は在庫を減らすべきだ!」
と指摘した時に、
「いやいやウチはこの在庫があるからこそ、この売上が維持できているんです!!」
と正々堂々と反論できるかどうか。
会社の数字は単なる机上の数字ではなく、
会社がかいた汗と数々の成功と失敗の結晶
血の通った数字にできるのは、銀行の担当者でも、顧問税理士でもなく、他ならぬ経営者ご自身です。
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