銀行は書類審査が基本です
銀行は書類審査が基本です
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
社内で決裁を取る時、あなたの会社ではどんな手順を踏んでおられるでしょうか。
オーナー系の中小企業では「社長に口頭で報告すればOK」というところもあるかもしれませんね。
口頭で了解をもらうのはスピーディーです。
一方で、口頭での決裁は、「俺はそんなことを了解したつもりはない」とか、「そんな大事なことをなぜ言わなかったのか?」といったように、後になって問題が起きるリスクがあります。
この点、銀行の場合、銀行員はどんなに忙しくても融資の申込があった時、
「貸出申請書」
を作成します。
「貸出申請書」には、融資の審査を行う上で必要な項目が記載されています。
・取引先名
・貸出金額
・資金使途
・貸出期間
・返済条件
・担保
・保証人
・取引状況 etc.
この「貸出申請書」に
・取引先概要
・銀行別借入残高表
・資金繰り表
・その他補足説明資料
を添付して、融資の可否を判断していきます。
個々の書類がどんなものかの説明はここでは省略しますが、申し上げたいことは、基本的に
銀行の審査は書類を基に行われる
ということ。
逆に言えば、銀行の審査をスムーズに進めるためには、
担当者が書類を書きやすいよう資料を事前に準備する
ことがポイントです。
例えば、決算説明を行う際に、単に決算書を渡すだけでなく、
「前期と比べて売掛金が大きく膨らんでいる理由は」
「今期利益率が下がっている要因は3つあります。第一に」
といった説明を、口頭ではなく、書面を渡して説明すれば、先方としては大いに助かる訳です。
人間誰しも面倒なことはついつい後回しにしがちです。
これは銀行員も一緒です。
ちょっと面倒な案件が持ち込まれた時に、いろいろと疑問点や不明な点を質問して会社から回答が来るまで時間を稼ぐという担当者もいます。
私も時々使った手ですが(汗)、余計な時間を浪費せず、早めに結論を出してもらうために相手が疑問に思うであろう項目はあらかじめ書面で説明しておくと審査のスピードも速くなります。
銀行審査の基本は書類審査であるという点、口頭での決裁が通常である会社では戸惑うかもしれませんが、頭の隅に入れておいていただければと思います。
次回は、「貸出申請書」の意見欄について、お話します。
今週は、昔書いたブログのリバイバル版をお届けしていますが、書き直しているうちに原文とだいぶ変わってきています。
★下記のフォームにお名前とメールアドレスをご登録いただければ、最新発行分より「超キャッシュフロー経営通信」【UCF】をお送りさせていただきます。ぜひご登録下さい。