固定費を2倍に増やして、売上高を3割伸ばす
固定費を2倍に増やして、売上高を3割伸ばす
やりやすさからすれば、「コストを削減する>コストを増やす」であり、今まで抑えてきたものを増やすのは少し勇気がいります。けれども、難しいことに挑戦した会社だけが未来の果実を手にすることができます。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
経営者であれば誰しも
売上に関わらず、毎月出ていく固定費はできるだけ抑えたい
と考えます。
固定費を低く抑えることで、多少売上が下がっても赤字に陥ることを防ぐことができます。
例えば、店舗の家賃。
飲食店の開業支援をしているクライアントさんも、初期費用とランニングコストを抑えるために、家賃をしっかり見定めることを提唱されています。
ところが、最近日経MJで
高い家賃のところへ移転することで、売上、利益とも伸ばした
という会社が紹介されていました。
それは、宅配ピザ大手の日本ピザハット。
宅配事業では、家賃の安いところに出店するのがこれまでの鉄則でした。
ところが、時には家賃が2倍以上になるところに移転したところ、かえって売上も利益も伸ばした店舗があったのです。
もちろん、これにはからくりがあります。
各社の競争が激しくなる中、ピザハットでは、宅配専業から持ち帰りのお客さんも取り込むことへの事業転換を検討していました。
宅配専業であれば、路地裏でも、駅から離れていても特に問題はありません。
けれども、持ち帰りのお客さんを取り込もうとすれば、当然のことながら、人通りも関係してくるし、分かりやすい場所であることが求められます。
結果的により目立つ場所に店舗を構えるとなれば家賃も上がってしまう訳です。
そして、いくつかの店舗で検証したところ、持ち帰り客の取り込みに成功し、売上高が3割ほど伸びたそうです。
当然このテストをやる前には、社内でも反対意見がありました。
コストを削減するという対策は削減した費用の分だけ、確実に収益が改善します。
一方で、コストを増やすという施策は目先は増やした費用の分だけ収益が悪化します。
コストを増やしても、売上が上がれば良いのですが、売上が横ばいだと、収益の構造が変わらない限り確実に利益が減ります。
このため、やりやすさからすれば
コストを削減する>コストを増やす
であり、今まで抑えてきたものを増やすのは少し勇気がいることです。
なお、ピザハットの場合、実験店では家賃は上がったものの、今までのように広告にお金をかけなくても宅配の注文が入るようになったため、広告宣伝費の削減につながりました。
これは副次的な効果と言えるかもしれませんね。
今までのビジネスモデルから変換したり、新しい事業を始めようとしたりする時、どうしてもコストがかかります。
もちろん、コストをかけても上手くいくとは限りません。
しかし、コストの削減ばかりやっていては、現在会社が置かれている状況から大きく抜け出すことはできません。
そして、コストを増やして売上を伸ばし、利益を増やしていくことは単にコストを削るより格段に難しいのは事実です。
でも、この
難しいことに挑戦した会社だけが未来の果実を手にすることができる
のではないでしょうか。
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