銀行交渉では相関関係でなく因果関係で説明する
銀行交渉では相関関係でなく因果関係で説明する
銀行交渉では相関関係でなく、因果関係を意識して数字を説明することがポイント。会社の将来をどこまで客観的かつ論理的に説明できるかが、銀行交渉の鍵を握っています。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
例えば、あなたの会社に就職を希望する2名の若者がいるとします。
A君:一流大学出身
B君:高校中退、現在はフリーター
この条件だけで1名を採用する場合、多くの会社ではA君を採用すると思います。
それは、A君の方がB君よりも
- 頭が良さそう
- きちんとしていそう
- ちゃんと仕事をしてくれそう
と想像しやすいからです。
しかし、一流大学出身であることと先に述べた要素については、相関関係はあっても因果関係はありません。
仮にA君と同じような人を100人、B君と同じような人を100人集めて同じ仕事をさせたとします。
統計的に見ると、ちゃんと仕事をする人の割合は、A君グループ>B君グループとなるかもしれません。
しかし、一流大学を出たからと言って必ずしも皆がみんなきちんと仕事をするとは限りません。
そこに因果関係はないのです。
これを会社の業績で見た場合はどうでしょうか。
前期の決算で、
C社:売上高/1億円、利益/5百万円
D社:売上高/3,000万円、損失/▲1百万円
の2社があり、両社とも今期の計画として、
売上高/1億2,000万円、利益/8百万円
という同じ数字を提出してきたとします。
多くの場合、計画の実現可能性としてはC社>D社と判断されます。
そして、現実問題としてC社の方がD社よりも資金調達しやすいのは事実です。
しかし、この場合も実は、
前期の決算の数字と今期の計画の数字に相関関係はあっても 因果関係はない
のです。
特に昨今は経営環境の変化が激しい時期。
前期にいくら売上や利益があっても、同じような数字を今期や来期に実現できるとは限りません。
この点、決算書の数字だけではその内容を把握しきれません。
このため、銀行は補足する資料として
- 商品別売上構成
- 会社の販売計画
- 他社との競合比較
等をもらって、詳しく分析していくことになります。
人の採用と同じく、会社の分析も手間ひまのかかる仕事。
特に将来の数字をどのように見通すかは大変難しいです。
この点、
会社の将来をどこまで客観的かつ論理的に説明できるか
が、銀行交渉の一つの鍵を握っています。
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