キャッシュフローの感覚をつかむための二重帳簿のススメ
キャッシュフローの感覚をつかむための二重帳簿のススメ
粉飾決算で数字をごまかすための二重帳簿は絶対にダメ。でも、キャッシュフローを感覚としてつかむための二重帳簿はありです。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
先日あるクライアントさんと打合せしていた時のこと。
「本社経費が多いんだよね」
と言われたので、その中身を具体的に聞いてみると、役員報酬、本社の家賃、税理士さんへの支払・・・とあって、続けて借入金の返済という項目が出てきました。
厳密に言えば、借入金の返済のうち、利息部分は経費ですが、借入金の元金部分は経費ではありません。
でも、社長の頭の中では
借入金の元利金返済額の合計→本社で負担する支出=本社経費
となっている訳です。
以前だったら、「それって違いますよね」と強引に説得しにかかったところ。
でも、今回は借入金の返済=本社経費としてそのまま話を続けました。
すると、結果的にはクライアントさんの取組むべき課題により早く気づいていただけました。
もし、あなたの会社が銀行に提出する資料を作るのであれば、借入金の元利金返済額のうち、借入金の借入利息の部分は営業外費用に計上し、借入金の返済元金部分のみを借入金返済額に計上することをお薦めします。
なぜなら、銀行員が融資の審査の際に関心があるのは、「ウチの銀行はこの会社にいくらお金を貸しているのか」という元金部分だからです。
また、元利金を一緒に計上していると、「この会社、会計のこと分かってないのか?」と余計な憶測を呼びます。
一方で、社内管理資料として、毎月の資金繰りをチェックするのであれば、借入金の元利金返済額を一つの項目に計上してもOKです。
なぜなら、預金通帳から引落しされるのは元利金の合計額だから。
このため、多くの社長にとっては、月末の支払金額は全部でいくらになるのかに関心があります。
大事なのは資料を見る人にとってどうかということ。
社長の感覚として、一つにまとめた方が数字をつかむ際にしっくりくるのか、元金と利息を分けた方が分かりやすいのか、で決めればいいのです。
粉飾決算で数字をごまかすための二重帳簿は絶対にダメ。
でも、キャッシュフローを感覚としてつかむための二重帳簿はありです。
社内の管理資料はあくまで会社が経営の実態を正確に把握し、社長の経営判断を間違いなく行うためというのが一番大事。
時には会計のルールに囚われず、会社として分かりやすいものを作りましょう。
ルールは使う人のためにあります。
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