口座振替の落とし穴
口座振替の落とし穴
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
NTTの電話料金
電気代や水道料金といった公共料金
NHKの受信料
銀行で営業担当者をしている時、これらの料金の口座振替を取るという目標がありました。
統計を取ると、預金残高は、口座振替のある口座>口座振替のない口座となります。
このため、自行に預金を集中してもらうには、口座振替がポイントという訳です。
ところで、当時は銀行の目標にはなっていませんでしたが、
インターネットの利用代金
コピー機の利用代金
入会しているコミュニティの会費
など、毎月発生する経費は口座振替を利用されている会社も多いのではないでしょうか。
いちいち振込に行かなくても自動的に引き落としてくれるので、口座振替は便利です。
しかし、資金繰りが厳しくなってくると口座振替が思わぬ落し穴になることもあります。
振込の場合は「今月末は厳しいので、来月5日までちょっと待って下さい」と支払日を変更することができます。
もちろん、相手の了解を得るのが基本ですが、極端な話、自分の意思で支払日を変更することができます。
けれども、口座振替の場合は、預金残高があれば自動的に落ちてしまうために、待ったなしです。
5,000円、10,000円といったように口座振替で引き落としされる金額は、1件、1件についてはそれほど大きくないのが普通。
けれども、口座振替される金額を1ヵ月でトータルすると、ある程度まとまった金額になります。
また、口座振替の場合は口座振替日が対象先によってバラバラであるため、資金繰りを把握するのに面倒です。
事業再生に携わった税理士の先生のセミナーに以前参加した時、「口座振替の口座は別管理にした方がいいですよ」というお話がありました。
資金繰りが逼迫して数千円単位でお金を管理している時、口座振替分の支払チェックが漏れていて、いざ大事な支払を実施しようとした際、お金が足りなかったというご経験に基づくアドバイスでした。
小さい会社の場合、口座振替専用の銀行口座を作るというのはかえって面倒です。
けれども、毎月自動的に支払っているため、口座振替で落とされる金額はついつい頭から抜けてしまうことがあります。
また、支払の優先度は低いけれど先方の都合で口座振替にしている
支払もあります。
この場合、社員の給料や仕入先への支払よりも、お付き合いで入っている会費の支払が優先して行われるという事態にもなりかねません。
資金繰りが厳しくなる前に
毎月口座振替で支払っている金額を概算でも把握する
ことをお薦めします。
ところで、広い意味で言えば、銀行借入の元利金返済も口座振替ですね(苦笑)。
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