事業計画書の作成にあたって求められる二つの価値
事業計画書の作成にあたって求められる二つの価値
事業計画書を作成するにあたっては、「機能価値」:数字的、論理的な納得感と、「感情価値」:理念や目的に対する共感の二つがないと、交渉相手にこちらの真意が伝わりません。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
GW中、クライアントさんの事業計画書の作成をお手伝いする機会がありました。
最近は、社長の深層価値観の掘り下げや業務改善に関する仕事が多いため、事業計画書作りに本格的に携わったのは約1年ぶりです。
私は主に事業計画書の数字編のところを担当しました。
スタートアップ企業で、まだ業歴が短いので、今後の業績はどんな形で推移するのか、について、過去の実績はあまり参考になりません。
どちらかと言えば、これから新しく事業を始めると、どんなイメージになるかが中心となります。
そして、その数字を作るにあたっては、いくつかの前提条件を置きました。
- 商品の単価は〇〇円
- 売上原価は??%
- 年間の販売先数は△△社
- 社員は今後□□人ずつ増える・・・
そして、出来上がった数字は、それなりに見栄えのする数字に収まった気がします。
しかし、・・・。
肝心なのは、ここからです。
事業計画書を作れば、銀行がお金を貸してくれるかもしれません。
また、魅力的な事業計画書であれば、「何か一緒にやりませんか?」と、業務提携のオファーが舞い込む可能だってあります。
一方で、
- 最初に設定していた単価では売れなかった
- 原材料費が高騰して、原価率が上がった
- 契約を取るまでに、思っていた以上に時間がかかった
- なかなか人が集まらず、プロジェクトの進捗が遅れた
など、計画はあくまで計画であって、実際に進めてみると、その通りにはいかないのが普通です。
その時、何を道しるべにするのか?
実は、今回事業計画書を作成するにあたって、数字をどう作るのかよりも悩んだのは、
会社は何を目的にするのか
です。
いわば、
会社は自社の商品を通して、どんな世界にしたいのか
ということです。
まだ発展途上の会社の場合、数字的な目標は大きく上振れする時もあれば、大きく下方修正を余儀なくされることもあります。
けれども、
会社は何を目的にするのか
については、会社の大小や業歴の長短に関わらず、しっかりと定めておく必要があります。
特に実績がまだ上がっていない会社の場合、どんなに数字を精緻に積み上げても、トラックレコードが乏しいために、「本当にこの数字ができるのか?」については、常に突っ込まれます。
それゆえ、より会社が魅力的に見えるには
会社は何を目的にするのか
という点にかかる比重がより大きくなります。
つまり、理論(数字)で納得させるのではなく、「こんなことができたらいいね!」という形で、感情で巻き込めるかどうか。
商品には、
- 機能価値
- 感情価値
の両方があり、両者が伝わって初めて、その商品が売れます。
一方で、事業計画書も
- 機能価値~数字的、論理的な納得感
- 感情価値~理念や目的に対する共感
の二つがないと、交渉相手にこちらの真意が伝わらないと感じた次第です。
今日はその事業計画書をベースに、クライアントさんが取引先と交渉に臨む日です。
どんな形で、取引先を巻き込めるのか。今から楽しみにしています。
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