会社の姿勢は細部にこそ表れる|キャッシュフロー経営実践講座

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会社の姿勢は細部にこそ表れる

会社の姿勢は細部にこそ表れる

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

会社の姿勢は細部にこそ表れる

新年度が始まって約2週間、平日都心にいると新入社員らしき人をよく見かけます。

「新入社員です!」という名札をつけていなくても、
スーツの着こなし方や、やや緊張気味の顔つきから
「この人は新入社員かも?」となんとなく分かってしまいますね。


思い起こせば、31年前は私も初々しい新人さんでした(笑)。

当時は2週間ほど新入社員研修があり、社会人としてのマナーや
会社の決算書の見方などを学びました。

そんな研修の中で私が一番嫌だったのが、札勘

要はお金を数える練習です。


研修では模擬紙幣なるものが配られて、タテ読み、ヨコ読みという形で、
2回数えて100枚ずつの束を作ることをひたすらやらされます。

早く、正確にお金を数えるのが銀行員の基本ということで、
研修期間中も何回かテストがありました。


ただでさえ不器用な私は指がスムーズに動かず、紙幣を扇形に広げる
ヨコ読みではなかなか思ったように広がりません。

しかも、5分という制限時間があるため、気ばかり焦って、時には数え間違いも・・・。

今思い出してもぞっとします(汗)。


このような訓練を経てなんとか身につけた札勘の技術ですが、
どうも全世界共通という訳ではありません。


ある先輩が、アジア開発銀行という国際的な金融機関に出向している時、
同僚の前でこの札勘を使ってお金を数えたところ、周りの人は怪訝そうな表情。

扇のようにサッとお金を広げて、どや顔の先輩に対し、
「だからなんなん?」という反応だったそうです。


つまり、そこで働く他国の銀行員にとっては
お金を必要とするところに、お金を出すか出さないかをきちんと判断する
ことが本分であって、お金を早く、正確に数えられるかどうかは、
本筋ではなかったのです。


また、海外の銀行に出向している時に私が同僚に聞いてみても、
「札勘なんかやったことがない」という回答。

さすがに支店の窓口業務につく社員の人はお金を数える練習があるそうですが、
融資業務やディーリングなどを行う社員はそもそも研修プログラムにすら
入っていないとのことでした。


日本の場合、野球で言えば「玉拾い」からスタートすることが多く、
本質的でないことも修行の一つとして良しと考えるという風潮が強いです。

もちろん、どんな仕事からでも学ぶべき点があるのは事実。

しかし、特に非製造部門の仕事の生産性が世界的に見ても低い日本では
悠長なことを言っている状況ではありません


銀行という業界に関して言えば、世界的なレベルから見ると、
日本の銀行は出遅れている部分が多々あります。

今でも札勘の練習が銀行の新入社員研修に入っているのかどうかは知りませんが、
もし入っているとしたら、本当にやるべき項目かどうかを一度見直す時期に来ています。


新入社員研修の一項目という小さい部分ですが、細部にこそ会社の姿勢が問われます


あなたの会社でも、

本質的でないところに貴重な労力を投下していないか

もう一度チェックしていただければと思います。


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Tag: 社員教育 社員研修 会社の姿勢

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