銀行にいる「浦島太郎」とは?|キャッシュフロー経営実践講座

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銀行にいる「浦島太郎」とは?

銀行にいる「浦島太郎」とは?

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

銀行にいる「浦島太郎」とは?

子供の頃に読んだ童話「浦島太郎」。

やはり、地上に戻ってきた最後の場面が印象的です。

ハッピー・エンドとは言えない微妙な結末に、読み終わった後、
子供心に「あれれっ」と思ったことを覚えています。


ところで、銀行の中でも、「あの人は『浦島太郎』だからねえ・・・」
といった会話がなされることがあります。


銀行員は平均すると3年毎に職場が変わります


私の職歴を振返ってみても、銀行時代
支店→支店→本社→支店→本社→海外→本社と合計7つの部署を経験しました。


支店にいるときは取引先の企業と日々接する仕事。
一般的知られる銀行員らしい業務です。


しかし、本社や海外では銀行本来の企業向け融資や営業をやる訳ではありません。


本社の中には審査部のように支店から回ってきた融資案件をチェックする
部署もあります。

しかし、総務部人事部経理部秘書室といったように一般の会社と同じように
管理部門の仕事をする部署や、業務推進部事務推進部といったように
支店や事務を統括する部署があります。

また、証券部市場金融部のように、普通は金融機関にしかない部署もあります。


そして、これらの部署に配属されると、会社の方と丁々発止のやりとりをする
訳ではありません。

このため、どうしても支店(もしくは審査部)から離れた期間が長くなると、
会社と接する時の「勘」が鈍くなってしまうのです。


私自身も最後に支店を経験した後、5年以上は現場から離れていました。

このため、海外から戻って審査部に配属になった時、
やり方が以前とはかなり変わっていたので、最初はすごく戸惑いました。


本店や海外にいても、通達が回ってくるため、
規程やマニュアルの変更があったことは知っていました。

しかし、本を読んで覚えた知識が実践ではすぐに役立たないように、
単に知っているだけでダメ

日々その知識を使って仕事をしていないと、いざという時使えません


そこで、本社経験や海外勤務の長い人が何年かぶりに現場の支店に戻ってきた時、
ちょっと動きが遅かったり、トンチンカンな質問をしたりしていると、
「浦島太郎」と呼ばれて秘かに揶揄されるのです(汗)。


中には、ずっと「浦島太郎」状態の人もいますが、
大半の人は竜宮城へ行く前の精悍な「浦島太郎」に戻ります。

業務になれてくると、だんだんと昔の経験も思い出して、
仕事のペースも徐々に上がってきます。

しかし、現場の一線でバリバリやるにはやはりある程度の時間的な猶予が必要です。


もし、あなたの会社の担当ラインの中で、
「どうもこの人とはなかなか話が通じないなあ・・・」
と感じる人がいたら、機会を見つけてさりげなくその方の職歴を聞いてみると、
案外簡単に理由が分ったりします。

もし、相手が「浦島太郎」状態だと以前より時間がかかったり、
余計な手間がかかったりします。


本来銀行として人が替わることによってサービス水準が変わることに
「それってどうなの?」と思われる経営者の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、残念ながら、人によって多少の違いが出るのは明らかな事実。


会社としては、あくまで

銀行員が替れば、あなたの会社に対するスタンスも変わることがある

という前提で動く必要があります。

会社の大切な資金繰りに影響が出ないよう担当ラインの人事にも気をつけましょう。

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