銀行の常識は世間の非常識
銀行の常識は世間の非常識
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
先週末、反社会的勢力に関する融資の問題について、みずほ銀行の謝罪会見が開かれました。
報道等で見る範囲では今一つ全容が分かりません。
けれども、問題になっているのは、信販会社との提携ローンであることははっきりしています。
最終的なお金の出し手は銀行。
けれども、実質的な融資の審査は信販会社が行っているため、信販会社のOKが出れば、銀行の融資もOKとなっている模様です。
提携ローンについては提携先によって取扱い条件が異なります。
けれども、一般的には、提携先の保証がついています。
このため、融資先に対する審査基準は銀行と信販会社では違うにも関わらず、信販会社の審査を通ったことで銀行における審査が甘くなったことが問題の発端と推測されます。
今回の問題は融資先が反社会勢力ということでやや特殊な案件かもしれません。
しかし、構造的に、他社の審査を通ったことで銀行における融資の審査が甘くなるというものがあります。
それは、中小企業の経営者ならよくご存知の信用保証協会付きの融資です。
信用保証協会付きの融資の場合、銀行の貸したお金が焦げつくと、信用保証協会が代わって返済してくれます。
このため、銀行としては最終的にお金が返ってくるので、信用保証協会付きの融資には各銀行とも積極的に取り組んでいます。
そして、信用保証協会のOKが出れば銀行の融資もOKという状態です。
実際、私も14年5ヵ月銀行にいましたが、信用保証協会のOKが出たけれど、銀行が融資を断ったという事例は1件も見たことがありません。
本来、会社が異なれば同じ取引先に対する審査基準も違うのが普通です。
また、銀行と信用保証協会では持っている情報の量と質が違うので、中には信用保証協会がOKしても銀行がNoと言う案件が出てきてもおかしくありません。
これって、世間では当たり前のことかもしれません。
けれども、お恥ずかしい話、私自身も銀行で融資をやっていた時は何の疑問もなく、信用保証協会のOKが出れば銀行の融資もOKという形で対応していたのです。
10月17日(木)に開催する
では、お金が借りられる事業計画VSお金が返せる事業計画のところで、銀行がOKした事業計画でビジネスは成功するのか?についてお話させていただきます。
ところで、謝罪会見のあった金曜日、当初はみずほ銀行の同期会が開催予定でした。
今回は、現役の行員だけでなく、私のように既に退職した人にも声がかかっていました。
私は別の予定が入っていたため、欠席で返事を出していましたが、10月に入ってすぐに幹事の人から同期会延期のお知らせが・・・。
もし、開催していれば、非常識だとさらに非難されていたかもしれませんね。
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