椿姫と資金使途
椿姫と資金使途
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「乾杯の歌」などで知られるオペラ「椿姫」。
原題はLa traviata(ラ・トラヴィアータ)。
日本語に訳すと、「道を踏み外した女」です。
「椿姫」と聞けば、なんとなく華やかなイメージを抱きますが、原題の「道を踏み外した女」との間には大きなギャップがありますね。
さて、ギャップと言えば、融資を受ける際の資金使途に関しては、銀行と会社の間にギャップがあるのを感じます。
銀行で融資を審査する際には「借りたお金を何に使うのか」を必ず確認します。
- 原材料の仕入代金が足りない
- 決算後の納税資金に充当する
- 新しい機械を購入する
といったように、お金の使い道をチェックします。
「お金に色はない」と言われますが、銀行がお金を貸す際には資金使途ごとに色分しているのです。
一方で、経営者の中には、「工場を建てると言ってお金を借りて、来月の材料費の支払に回そう」と、資金使途について安易に考えているケースが少なくありません。
もちろん、運転資金と言う場合には、原材料費、人件費、その他諸経費などカバーする範囲が広いのである程度融通が効きます。
けれども、機械を買う、ビルを建てる、工場を作ると言った設備資金として借入する場合には、借りたお金を設備資金として使わないと資金使途違反になります。
このため、銀行も設備資金の場合には、領収書や振込み明細を提出してもらい資金使途のフォローアップを行うことが普通です。
そして、仮に銀行員が融資実行後の資金使途違反を見逃してしたとしても、次の借入をする際に購入したはずの機械が決算書に載っていないということで、資金使途違反がばれるケースが大半です。
この場合、一度資金使途違反をすると、「あの会社はお金の使い道で嘘をついた」ということで、その銀行から新にお金を借りることが難しくなるのです。
粉飾決算は論外ですが、資金使途違反も銀行がもっとも嫌うことの一つ。
オペラ「椿姫」の最後は悲劇で終わりますが、「お金の使い道を踏み外した会社」にもけっして良い結果は生まれません。
資金使途はけっしてごまかさないことが大事です。
ところで、私も一度だけ「椿姫」を鑑賞したことがあります。
「乾杯の歌」が流れる華やかなパーティーのシーンなどはちゃんと起きていましたが、後半の暗いシーンが続くところは記憶があいまいです(汗)。
★下記のフォームにお名前とメールアドレスをご登録いただければ、最新発行分より「超キャッシュフロー経営通信」【UCF】をお送りさせていただきます。ぜひご登録下さい。