世の中には自分の価値を理解してくれる人がいる
世の中には自分の価値を理解してくれる人がいる
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「これは奇跡だ」
今回の富士山の世界遺産登録にあたり、驚いたのは、何と言っても三保松原も一緒に登録されたことです。
ユネスコの諮問機関(イコモス)が勧告した時点では、「距離が離れすぎている」という理由で、三保松原を登録から外すよう勧告していました。
当時、川勝平太静岡県知事は「あくまで三保松原も含めた登録を目指す」と言っておられました。
しかし、正式に一体化の登録が認められた時、思わず冒頭の言葉を発したところから推測すると、本音は「ちょっと難しい」と思っておられたのではないでしょうか。
私自身もイコモスの除外勧告が出た時点では、「三保松原の登録は無理だ」と思っていました。
しかし、ユネスコの世界遺産委員会ではドイツを始めとする各国から「三保松原も含めて登録すべき」という声が相次ぎ、一発逆転となったのです。
会社においても、いろいろな人がいろいろなアドバイスを行います。
「社長、それはやめた方がいいですよ」
「ちょっと難しいと思いますが」
「業界の常識に反しています」
特にベテランのコンサルタントや、その業界の大家と言われる方から「やめた方がいい」と除外勧告を受けると、素直な経営者ほどあっさり諦めます。
けれども、現実問題としては、社長の考え方ややろうとしていることの価値が上手く相手に伝わっていないから、「やめた方がいい」と言われている場合もあります。
三保松原の一件にしても、諮問機関のメンバーには三保松原の価値が伝わっていなかったにも関わらず、世界遺産委員会のメンバーには三保松原の価値が伝わっていたと言えます。
委員会のメンバーが三保松原の価値を知ったのは、江戸時代の歌川広重の絵だったのか、銭湯に描かれた富士山の絵だったのかは分かりません。
けれども、
世の中には自分の価値を理解してくれる人がいる
というのは事実。
その人と出会うためには、
たとえ除外勧告が出ても伝え続ける覚悟が必要
ところで、川勝知事は私が学生だった頃、大学で経済史を教えておられました。
しかし、「評価が厳しく、なかなか優をくれない」という評判だったので、私は川勝先生の講義を受けるのをあっさり諦めました(汗)。
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