銀行は融資を断る理由を開示しない
銀行は融資を断る理由を開示しない
銀行の立場からすると「融資を断った理由は一つではない」し、「その問題を解決したからといって次回の融資にOKを出す訳ではない」ので、融資を断る理由を開示したがりません。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「お願いします!」と頭を下げる男子に対して、「ごめんなさい」と断る女子。
かつての人気バラエティ番組「ねるとん紅鯨団」のワンシーンです。
男性がふられる理由は様々。
第三者である視聴者の立場から冷静に見ていると、「そりゃ君、ちょっと無理でしょう」とふられて当然と思えるケースもあれば、「えっ、なんで?」とふられる理由がちょっと分からない時もあります。
昨日講師としてお話させていただいたセミナーの中で、
銀行は減点主義である
ということをお伝えしました。
減点される要素はいろいろあります。
・債務超過である
・2期連続赤字である
・利益率が低い
・借入過多である
・多額の役員向け貸付金がある
というように、決算書を見ればすぐ分かるものもあれば、
・資金繰りの見通しが甘い
・返済原資がはっきりしない
といったように、事業計画の作り方に問題があるものや、
・経営者の信用面に不安がある
・経営者に計数管理能力がない
というように、経営者に問題ありというケースもあります。
技術的にどんなに素晴しい商品を持っていても、決算書の数字が悪いと融資が出にくいし、立派な数字を並べた事業計画を作っても、経営者が過去に何度も借入金を延滞していた時はなかなか融資の審査が通りません。
銀行は融資を断る際、「ごめんなさい」とは言いません。
「いろいろ検討させていただいたのですが、今回はちょっと難しいそうです」と言うように言葉を濁し、断った理由をはっきり言わないことがほとんどです。
けれども、断られた会社側からすれば、「なぜダメだったのか?」はもっとも知りたいところです。
銀行との融資交渉が上手くいかずに弊社に資金調達のご相談に来られる会社のお話をお聞きすると、おおよそ
- 85%は断られた理由がはっきりしている
- 10%は断られた理由がある程度推測される
- 5%は断られた理由がよく分からない
という感じです。
銀行の立場からすると「断った理由は一つではない」し、「その問題を解決したからといって次回の融資にOKを出す訳ではない」ので、断った理由を開示したがらないという事情は分かります。
けれども、本当にお金が必要な会社にきちんとお金が回るようにし、日本をもっと良くしていくという広い視野に立てば、融資を断った最大の理由を会社側にはきちんと伝えるぐらいの度量があってもよいのではと個人的には思います。
もっとも、銀行が情報開示に積極的になると私の仕事が減るかもしれませんね。
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