インフレの影響をシミュレーションする
インフレの影響をシミュレーションする
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
先週日本銀行の総裁が白川方明氏から黒田東彦氏へ交代しました。
多くの会社の場合、現社長は次期社長を後継者として指名するので、新社長は「前社長の路線を踏襲しつつ・・・」となります。
しかし、今回の日銀の場合は安倍政権の誕生を背景に、前任者の否定を掲げての就任です。
黒田総裁の掲げる目標は「2%の物価上昇率を2年をメドに達成」
はたして、どうなるでしょうか。
さて、日銀の場合は金融政策を使った大きなマクロ的な動きが中心です。
しかし、その影響は個々の会社の業績というミクロの数字にも及んできます。
仮に
収入=100,000,000円
費用=98,000,000円
という会社があったとします。
すぐにお分かりのように
利益=収入-費用=2,000,000円
ですね。
ここで、インフレの影響が出てくるとどうなるか。
多くの中小企業の場合、
- 原材料費や仕入の際に価格決定権がない(弱い)
- 自社の商品やサービスの値上げは遅れがち
です。
先の会社でもし費用が2%上昇すると、
費用=98,000,000円×1.02=99,960,000円
となるので、収入が変わらなければ
利益=収入-費用=40,000円
とギリギリ黒字の水準です。
実際のあなたの会社の業績はこんなに単純には計算できないかもしれません。
しかし、少なくとも
物価が上昇した場合、自社の利益はどうなるのか
をきちんとシミュレーションすることが必要です。
エンドユーザーの特徴によっては、単純に値上げすると販売数量が減るケースもあります。
この場合は、販売数量を今よりも増やすことで粗利を増やせないかを検討しなければなりません。
既に黒田総裁が就任する前から、円安の進行により一部では物の値段が上がっています。
そして、インフレに向けた動きはこれからもより一層加速することが予想されます。
自社では
- 原材料費は何%までなら上がっても大丈夫か
- 固定費ですぐに値上がりしそうなのはどれか
- 商品を2%値上げした場合の影響は
など、期末の忙しい時期ではありますが、
インフレに対する備え
はくれぐれも怠りなきように。
ところで、銀行のトップは頭取、銀行の銀行である日銀のトップは総裁。
金融機関は肩書きもなんだか偉そうですね。
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