担保は自社でも再評価する
担保は自社でも再評価する
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
先日、あるノンバンクから弊社に電話がありました。
その会社は不動産担保ローンが専門。
銀行融資が難しい先でも、担保提供できる不動産があれば、最短3日で融資が出るとのこと。
弊社が資金繰り関係の仕事をやっているのをホームページで見て連絡をくれた模様です。
時々電車の中の広告で名前を知っていた会社。
今後の参考のために、まずは資料を送ってもらったところです。
銀行の場合、今は担保や保証があれば貸すということはありません。
しかし、最初の融資申込の際には「まずは信用保証協会付きで」と言われるように、返済をより確実にするため保全面の話は避けて通れません。
このため、
- 業績の見通しが不透明で返済面に不安が残る
- 今までよりも借入金額を増やす
ような場合、「何かありませんか?」と担保の提供や追加の保証を打診されます。
銀行では、担保価格-貸出金を「ポジション」と呼んでいます。
ポジション>0の場合は、比較的融資が出やすいのに対し、ポジション<0の場合は、よりしっかりとした資金計画や見通しがないと、なかなか融資が出にくい傾向があります。
また、
- 不動産であれば3年に1回
- 株式であれば半年に1回
ぐらいの頻度で、担保の再評価を行います。
このため、業況があまり変わらないのに、「前回はスムーズに融資が出たのに今回はなかなか融資のOKが出ない」というような時、
担保価値が下がる
↓
ポジションが悪化する
↓
より厳しく審査している
という可能性もあります。
長年銀行とつきあっていると、「当社の場合、だいたいこのくらいのポジションまでならすぐに融資が出そうだ」というのが分かってきます。
この点、借入金の金額はすぐに分かりますが、担保の価格について自社で把握していることは意外と少ないのではないでしょうか。
掛目は銀行や担保の種類によって違いますが、
担保提供している不動産や株式の時価を自社でも定期的に見直す
ことはぜひお薦めします。
ところで、先のノンバンクの場合、ポジション>0でないと、融資が出ません。
この点、財務状況や資金繰りの審査は銀行より緩やかであっても、
ポジションに対する考え方はよりシビアです。
いずれにせよ、返済できないと、会社や個人の大切な資産が処分されます。
資金調達の際には、一時しのぎでなく、本当に返せるお金なのかどうか
慎重に見極めましょう。
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