預金通帳を活用した資金繰りの把握
預金通帳を活用した資金繰りの把握
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
先週末に読み終えた本が「『通帳1冊』経理術」。
税理士の先生が書かれた本で、タイトルの始めに、小さな会社・個人事業主のためのとあるように、まだ売上が少ない会社が通帳1冊を使って大まかに経理を行うノウハウが書かれています。
また、以前読んだ本で「通帳は4つに分けなさい」というのがありました。
これも、別の税理士の先生が、通帳を
- 売上収入口座
- 運転資金口座
- 納税緊急口座
- 将来投資口座
に分けて使うことで、会社のお金回りを改善する方法について論じられています。
預金通帳を上手く活用する方法は、創業当時、私も顧問税理士から薦められた方法です。
顧問契約を結んだ際、その先生に言われたことは、「通帳はできるだけ汚して下さい!」
具体的には、以下のようなことです。
- なるべく、お金の出入りを通帳に記帳する
- 入金内容・出金内容を簡単にメモ書きする。
- 月末には当月の預金の動きを振り返る
例えば、売上が振込で入金になった場合、
カブ)エーシャ [お預り金額]500,000円
と印字されるので、A社からの売上が入ったことが分かります。
A社と単発の取引であれば、特に追記する必要はないかと思います。
ただし、A社と複数の取引がある場合や、継続的にビジネスをしているケースでは、○○代金とか、9月分売上とメモ書きしておけば、後で見た時により分かりやすくなります。
一方で、B社に今月の仕入代金300,000円を振込した場合、通帳には、
振込 [お支払い金額]300,000円
としか記載されません。
もちろん、振込依頼書や領収書と付け合せすれば、何の振込だったかは分かるのですが、時間が経つと、ついつい取引内容も忘れてしまいます。
この時、少し手間でも、通帳にB社10月分とか、××仕入代金と書いておけば、後から見てもすぐに思い出せるという訳です。
もちろん、これらの方法は月に何百件も取引件数がある場合はたいへんです。
けれども、月間のお金の出入りが20~30件ぐらいの会社の場合、通帳を使ってお金の動きをざっくりつかむのが一番効率的です。
資金繰りのチェック方法として、預金通帳を有効活用するというのは、細かい経理知識や勘定科目の違いを知らなくてもすぐにできる方法です。
もし、取引件数があまり多くないのに通帳の確認をされていない場合、少し手間をかけるだけで、お金の動きが見えてくるので、ぜひお薦めです。
ところで、具体的に通帳を活用するとした場合、「1冊、4冊だったらどちらがよいのか?」という疑問が生じたかもしれませんね。
次回は、その辺りの話をしたいと思います。
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